老眼とは?
人間の目とは?
人間の目はよく精密機器であるカメラの構造によく似ていると言われています。正常な目の場合、遠くを見ようと思えば遠くにピントが合い、近くを見ようとすれば近くにピントが合います。つまりカメラで言うオートフォーカス機能が人間の目には生まれながらにして備わっているわけです。
水晶体の役割とは?
ではそのピントを合わせるのは人間の目のどの部分で行っているのでしょう。それは眼球の中にある「水晶体」と言う部分が担っています。遠くのモノ(例えば景色など)を見る時に私たちの目は緊張を解き放ち、リラックスした状態でモノを見ています。その時「水晶体」は薄い状態になります。逆に近くのモノ(読書や裁縫など)を見る時に私たちは目を緊張させ近くのモノを見ています。その時の「水晶体」は膨らんで厚みを増しています。つまり人間の目は物を見る時にその距離によって目をリラックスさせたり、少しだけ緊張させたり、時には思いっきり緊張させたりしているのです。それに伴い「水晶体」も薄くなったり厚みを増したりしてピントを合わせているのです。遠くの景色を長時間見てもさほど疲れたという経験はないと思います。なぜなら遠くを見ている時、私たちの目はリラックスしているから。しかし逆に長時間、読書や針仕事などをすれば目が疲れますね。緊張が長く続けば目だって疲れて当たり前なのです。
老眼とは?
読んで字のごとく老眼とは目の老化現象のことで、厳密に言えば水晶体の老化は15歳頃から既に始まっているとも言われています。しかし一般的には40歳を過ぎる頃から自覚症状が出てくる人が多く、老眼と認識し始めます。老眼は加齢に伴い、水晶体の弾力が失われて近くの物にピントを合わすことができなくなる状態を言います。つまり近くの物を見ようとして目をいくら緊張させてもそれに伴い水晶体が膨らまなくなるため、近くのモノにピントが合わせることができなくなるのです。
遠視と老眼の違いは?
遠視も老眼も手元の物が見えにくく、また見やすくするために同じ凸レンズのメガネをかけますので、区別がつきにくいですね。しかし遠視と老眼は似た症状があっても、原因が根本的に異なっているのです。遠視は目に入ってきた光が、眼軸(角膜の頂点から網膜までの距離)が通常よりも短いために、あるいは角膜や水晶体の屈折力が通常よりも弱いために調節(ピントを合わせるために水晶体の厚みを変えること)を休ませた時に網膜の後方で像を結んでしまう状態のことをいいます。つまり遠視は光を曲げるちから:屈折の異常なのです。
一方老眼は、光を曲げる力が強いとか弱いということではなく、老化現象によって、本来水晶体を膨らませたり、薄くしたりしてピントを合わせると言う行為(このことを調節と言います)自体ができなくなってくることなのです。つまり調節の異常なのです。屈折異常と調節異常、原因は異なりますが、手元のものが見えにくいという共通の症状がありますので、同じ凸レンズで矯正をする訳です。